金利が上がって住宅ローンが苦しくなったら、家を売れば完済できるのか

5年ルールのある変動金利の住宅ローンでは、金利が上がっても返済額はすぐには変わりません。そのかわり、借入の残りの減り方が遅くなります。家を売れば完済できるのかを、借入の残り・売れそうな価格・売るときの費用の3つで確かめる方法を説明します。

住宅ローンの金利や返済額の通知を見て、これからの支払いが心配になった方へ。日本銀行は2026年6月16日、政策金利を1.0%程度へ引き上げました(7月31日の会合では据え置き)。変動金利の基準に使われる短期プライムレート(主要な銀行の最頻値)も、長く続いた1.475%から、2026年8月には2.375%まで上がっています。この記事では、住宅ローンが苦しくなってきたときに、家を売れば完済できるのかを確かめる方法を、順を追って説明します。当社は東京都墨田区の不動産会社で、家がいくらで売れるかを示す査定と、売却の実務を担います。

まず、ご自身の状況を選んでください

いま、どれに近いですか

1
返済額は変わっていないが、金利が上がったと知らされた
返済額が同じでも、借入の残りの減り方は変わっています。何が変わっているかを見る
2
返済額が上がった、または上がると知らされた
このまま払い続けるか、別の方法をとるかを比べる段階です。選べる方法を比べる
3
売ったら住宅ローンを返しきれるのか知りたい
3つの数字があれば確かめられます。確かめ方を見る
4
すでに返済が遅れている
遅れが続くと、取れる方法が狭まっていきます。滞納から競売までの流れを見る

この記事の金利の数字は、2026年9月15日時点のものです。借入中の方の金利にいつ・どれだけ反映されるかは、契約内容と銀行によって違います。金利がこの先どうなるかの見通しは、このページでは扱いません。

01

金利が上がると、返済額と借入の残りはどう変わるか

冒頭で「1. 返済額は変わっていないが、金利が上がったと知らされた」を選んだ方は、まずここをお読みください。

変動金利の住宅ローンでは、金利は半年ごと(銀行によっては毎月)に見直されます。一方で、毎月の返済額は、多くの銀行で5年ごとにしか見直さず、見直すときも前回の1.25倍までしか上げない決まりになっています。これが「5年ルール」「125%ルール」と呼ばれるものです。

ただし、このルールを採用していない金融機関もあります。たとえばソニー銀行、SBI新生銀行、PayPay銀行は、公式に5年ルールを設けていないと案内しています。元金均等返済で借りている場合も、このルールはありません。ご自身の契約がどちらかは、返済予定表・契約書で確かめるか、借入先の金融機関にお問い合わせください。全期間固定の金利で借りている方は、金利が上がっても返済額は変わりません。

5年ルールがある場合、金利が上がっても毎月の返済額はすぐには変わりません。そのかわり、毎月の返済のうち利息に回る分が増え、借入の残りの減り方が遅くなります。次の表は、その差を試算したものです。

金利の動き毎月の返済5年後の借入の残り
0.5%のまま 129,793円 4,338万円
1.0%へ上がった 129,793円(同じ) 4,445万円(107万円多い)
1.5%へ上がった 129,793円(同じ) 4,554万円(216万円多い)
2.0%へ上がった 129,793円(同じ) 4,666万円(328万円多い)

試算の条件: 借入5,000万円、35年、元利均等返済、当初の金利0.5%、5年ルールあり。7か月目から金利が上がり、そのまま5年目まで続いたと単純化して計算しています。実際の返済額と残りは、契約内容と銀行の計算方法によって違います。

返済額が同じでも、売るときに返さなければならない額は増えています。家を売って住宅ローンを返すときは、その時点の借入の残りを一括で返します。金利が上がった状態が続くほど、この額は大きくなります。

なお、金利が大きく上がって利息が毎月の返済額を上回ると、払いきれなかった利息は「未払利息」として残り、売却などで一括返済するときに一緒に返すことになります。上の試算の条件では、借入の直後に未払利息が出始めるのは金利がおよそ3.12%を超えたときです。

02

家を売れば完済できるかは、3つの数字で分かる

冒頭で「3. 売ったら住宅ローンを返しきれるのか知りたい」を選んだ方は、まずここをお読みください。

完済できるかどうかは、次の3つの数字を並べれば分かります。

1

いまの借入の残り。毎年届く残高証明書か、返済予定表で確かめられます。分からなければ、借入先の金融機関に問い合わせれば教えてもらえます。

2

家が実際に売れそうな価格。ここが一番大事です。ポータルサイトに並んでいる「売り出し価格」ではなく、近くで実際に売れた価格(成約価格)をもとに見込みを出します。

3

売るときにかかる費用。不動産会社への仲介手数料、抵当権を外す登記の費用、引越し代などです。売って利益が出た場合は、税金がかかることもあります。

計算は「売れそうな価格 − 売るときの費用 − 借入の残り」です。プラスなら、住宅ローンを完済して手元にお金が残ります。マイナスなら、売っても返しきれません。どちらになるかを、同じ条件で並べた例です。

 例1例2
借入の残り 4,445万円 4,445万円
売れそうな価格 5,500万円 4,300万円
売るときの費用(概算) 約210万円 約170万円
結果 約845万円が手元に残る 約315万円足りない

数字はいずれも説明のための例です。費用の概算は、仲介手数料の上限(売買価格の3%+6万円に消費税)と、印紙税・登記・引越しなどを合わせた目安です。金融機関によっては、住宅ローンを一括で返すときに手数料がかかります。実際の額は物件と条件によって変わります。

完済できるなら、それは任意売却ではなく普通の売却です。売却代金で全額を返すので、任意売却のように金融機関から売却の同意をもらう必要はありません(一括で返す手続きは必要です)。売る時期や引越しの段取りも、自分で決められます。返済が苦しくなってきたときに、まずこの計算をしておく意味はここにあります。

売って利益が出た場合、自宅の売却には税金の特例(居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除など)があり、要件を満たせば税金がかからない場合もあります。要件は国税庁のタックスアンサー(No.3302)で確かめられます。個別の判断は、税務署か税理士にご相談ください。

成約価格をもとに、家がいくらで売れそうかをお出しします。

売れそうな価格を確かめる

03

東京23区の中古住宅は、いまいくらで売れているか

東日本不動産流通機構(東日本レインズ)の年間の集計によると、東京都区部で成約した中古マンションの1㎡あたりの平均価格は、2015年の67.40万円から、2025年は130.75万円になりました。中古戸建の平均成約価格は、同じ10年で5,285万円から7,209万円です(首都圏不動産流通市場の動向(2015年)同(2025年))。

ただし、これはその年に売れた物件全体の平均です。お持ちの家が同じだけ値上がりした、という意味ではありません。家は年数がたつほど古くなり、その分は価格が下がる方向に働きます。

区によっても大きく違います。2025年度(2025年4月〜2026年3月)に成約した中古マンションの1㎡あたりの平均価格は、都区部全体で134.54万円、墨田区で103.37万円、足立区で62.74万円でした(年報マーケットウォッチ 2025年度 表24)。

直近の動きには注意が必要です。2026年8月に東京都区部で成約した中古マンションは1,265件、1㎡あたりの平均価格は132.69万円、平均成約価格は7,526万円でした。1㎡あたりの価格は前年より0.3%下がり、2020年4月以来、76か月ぶりの下落です。成約件数も前年より20.6%少なく、8か月続けて減っています(月例速報 Market Watch サマリーレポート 2026年8月度)。

だからこそ、売り出し価格ではなく、実際に売れた価格で確かめることが大事です。2025年の東京都区部で、新たに売りに出された中古マンションの1㎡あたりの平均価格は159.44万円でした。同じ年に成約した物件の平均130.75万円とは、これだけの開きがあります(首都圏不動産流通市場の動向(2025年))。ポータルサイトに並ぶ価格を見て「これくらいで売れる」と考えると、見込みが大きくずれることがあります。お住まいの家がいくらで売れそうかは、築年数・駅からの距離・広さの近い成約事例をもとに、個別に確かめる必要があります。

04

借り換え・返済条件の変更・売却の比べ方

冒頭で「2. 返済額が上がった、または上がると知らされた」を選んだ方は、まずここをお読みください。

返済が苦しくなったときの方法は、売却だけではありません。主な3つを並べます。どの方法がよいかは、収入の見通しや、この先の暮らし方によって変わります。売ることを前提にせず、比べる材料としてお読みください。

方法向いている状況気をつけること相談先
借り換え 借入の残りと残りの期間がまだ大きく、収入が安定している 審査があり、手数料や登記の費用がかかる。金利の条件は借り換え先が決める 金融機関
返済条件の変更 一時的に収入が減った、支出が増えた 返済期間の延長などで毎月の返済は下がるが、総返済額は増える。認められるかは金融機関の判断 借入先の金融機関
売却 住み続けること自体が負担になっている。売れば完済できる見込みがある 住まいを移る必要がある。完済できない場合は、金融機関の同意を得て売る「任意売却」になる 不動産会社

フラット35で借りている場合は、住宅金融支援機構が返済期間の延長などの返済方法の変更を用意しています。手数料はかかりませんが、審査があり、総返済額が増えることがあると案内されています(住宅金融支援機構「月々の返済でお困りになったとき」)。

当社がお手伝いできるのは、このうち売却です。借り換えや返済条件の変更を認めるかどうかは金融機関の判断で、当社がその交渉を代わりに行うことはできません。

05

売っても完済できないとき

売れそうな価格で借入の残りを返しきれない場合は、金融機関(抵当権者)の同意を得て売る「任意売却」になります。ここは誤解の多いところなので、正確に書きます。

任意売却をしても、債務そのものが減るわけではありません。売却代金を充当した後に残った債務は、原則としてそのまま残ります。その返済方法(分割にできるか、月々いくらか)については、売却後に債権者と協議することになります。連帯保証人の義務も、債務が残る限り続きます。返済方法が変わることと、債務の金額が減ることとは別の話です。

返済が遅れる前に動くほど、選べる方法は多くなります。返済が遅れる前であれば、借り換えや返済条件の変更を金融機関に相談する余地が残り、売る場合も時期を選べます。遅れが続くと、分割で返す権利を失い、最終的には競売になります。流れは住宅ローン滞納から競売までのタイムラインで、払えなくなったときの対処は住宅ローンが払えないときの対処法で説明しています。

売却後に残った債務の返済がどうしても難しい場合の法的な手続き(債務整理)は、弁護士などの専門家にご相談ください。

06

売り方は2つ。仲介が基本です

  • 仲介(買主を探して売る): 一般の買主に売るので、価格は相場に近くなりやすい方法です。当社が買主を探してお売りする場合、宅地建物取引業法の上限の範囲で仲介手数料を申し受けます(売買代金が400万円を超える場合、代金の3%+6万円+消費税が上限)。住みながら売ることもできます。
  • 買取(当社が直接買う): 買い手が見つからないときの選択肢です。媒介ではないため仲介手数料は発生しませんが、当社が直接買い取る価格は、時間をかけて一般の買主を探す場合より低くなるのが通常です。そのかわり、買主を探す必要がないぶん、期間の見通しが立てやすくなります。

手数料の有無ではなく、最終的に手元に残る額と、いつまでに決着させたいかで比べてください。両方の見込みをお出しします。

売ったら手元にいくら残るか、足りないかを、数字でお出しします。

売却の見込みを相談する

07

当社ができること、できないこと

当社ができること

  • 近くの成約事例をもとに、家が売れそうな価格をお出しすること
  • 借入の残りと照らして、売ったら手元にいくら残るか(足りないか)を試算すること
  • 買主を探して売却すること(仲介)
  • 買い手が見つからない場合に、当社が直接買い取ることの検討
  • 完済できない場合の任意売却で、売却の価格や時期などの売買条件を金融機関と調整すること(売却後に残った債務の返済方法は、お客様と金融機関との話し合いで決まります)

当社ができないこと

  • 借り換えや返済条件の変更を、金融機関と代わりに交渉すること
  • 金利がこの先どうなるかの見通しをお伝えすること
  • 税金の個別の判断(税務署・税理士へ)
  • 法律上の判断(弁護士等の専門家へ)

当社は東京都墨田区(JR錦糸町駅)に事務所があり、東京23区と、船橋・千葉などの近隣地域を中心に、直接伺える範囲でご対応しています。それ以外の地域のご相談もお受けします。物件の場所によって進め方が変わるため、お問い合わせの際に所在地をお知らせください。

08

よくあるご質問

住みながら売ることはできますか
できます。買主の内覧のときは、日程を合わせてご在宅のまま見ていただく形になります。引越しの時期は、買主との話し合いで決めます。
借入の残りがいくらか分かりません
毎年届く残高証明書か、返済予定表で確かめられます。手元に無ければ、借入先の金融機関に問い合わせれば教えてもらえます。分からない段階でもご相談いただけます。
自分のローンに5年ルールがあるか分かりません
金銭消費貸借契約書か、借入先の金融機関の説明で確かめられます。変動金利でも、5年ルール・125%ルールを採用していない金融機関があります。元金均等返済には、このルールはありません。
査定を頼んだら、売らないといけませんか
いいえ。売れそうな価格と手元に残る額を見て、売らないと決めていただいて構いません。借り換えや返済条件の変更を先に検討する材料としてお使いください。
固定金利で借りていても関係ありますか
全期間固定の金利で借りている場合、金利が上がっても返済額は変わりません。当初の一定期間だけ金利が固定されるタイプの場合は、その期間が終わるときに、その時点の金利で見直されます。

09

次に取る行動は、3つです

1

借入の残りを確かめる。残高証明書か返済予定表を手元に用意します。

2

ご自身の契約の、返済額の見直しの決まりを確かめる。5年ルール・125%ルールがあるか、次に返済額が見直されるのはいつかを、契約書か金融機関で確かめます。

3

成約価格をもとに、家が売れそうな価格を出す。1と並べれば、売ったら完済できるかが分かります。当社にご相談いただければ、この見込みをお出しします。

返済が遅れていない段階でも、ご相談いただけます。お問い合わせの際に、物件の所在地と、借入の残りのおおよその額をお知らせいただけると、確認がはやく進みます。分からない項目があっても構いません。

ご相談をお受けする会社について

商号

株式会社サブミット

宅建業免許

東京都知事(1)第114346号

代表者資格

宅地建物取引士 / 競売不動産取扱主任者試験合格

対応領域

弁護士から選任された相続財産清算人・破産管財人の案件における、不動産の調査・売却に対応しています。代表は前職から現在にかけて、この分野の実務を担当しています

まずは、状況をお聞かせください。

しつこい営業は行いません。秘密厳守でお伺いします。

お電話でのご相談03-6822-4556

お伺いするのは、お名前・ご連絡先・物件の所在地・いま届いている通知の種類などです。売却を前提としたご相談でなくて構いません。売らないほうがよい場合も含めてお話しします。
しつこい営業は行いません。ご相談内容は秘密厳守でお預かりします。