競売開始決定の通知が届いたあと、いつまでに何をすれば売れるのか

競売を取り下げられるのは、申立てをした債権者です。所有者ご本人が裁判所に取下げを申し立てることはできません。いつまでに何を終えれば売却で決着できるのかを、条文と裁判所の公表資料をもとに、順を追って説明します。

裁判所から「担保不動産競売開始決定」の通知が届いた方へ。分厚い封筒を開いて、もう手立てがないと感じているかもしれません。この段階でも、家を売って住宅ローンを整理できる余地は残っています。ただし、残された時間は日付で決まっていきます。このページでは、いつまでに、何を、誰に対して進める必要があるのかを、条文と裁判所の公表資料をもとに順を追って説明します。当社は東京都墨田区の不動産会社で、家がいくらで売れるかを示す査定と、売却の実務を担います。

まず、届いている書面を選んでください

いま、どこまで進んでいますか

まだ売却の余地が大きい段階

1
担保不動産競売開始決定の正本が届いた
裁判所が競売を始め、その家を差し押さえたことを知らせる書面です。この時点では、売る方法はまだ残っています。誰が競売を止められるのかを見る
2
執行官から現況調査の連絡が来た、または執行官が来た
裁判所が命じる調査です。断っても調査は行われます。何を調べられるのかを見る
3
入札の期間と開札の日が書かれた通知が届いた
残り時間が具体的な日付になりました。日数の数え方を見る

売却の余地が限られてくる段階

4
開札が終わった、または売却許可決定が出た
取下げに買受人の同意が必要な段階です。この段階でできることを見る
5
代金が納付された、または引渡命令が届いた
所有権はすでに移っています。明渡しについて見る

このページより前の段階

6
裁判所からはまだ届いていない(督促・一括請求の通知まで)
このページより前の段階です。滞納から競売までの流れを見る

このページの手続の説明は、2026年9月16日時点の民事執行法・民事執行規則と、裁判所が公表している資料にもとづいています。実際の日程は事件ごとに違います。お手元の書面に書かれた日付が、ご自身の期限です。

01

最初に確かめるのは、売れば完済できるかどうかです

競売の通知が届くと、多くの方が「任意売却しかない」と考えます。ですが、順番はその前にあります。売却代金で住宅ローンを返しきれるなら、それは任意売却ではなく、通常の売却です。債権者に同意をもらう必要がなく、話は大幅に簡単になります。

確かめるのは3つの数字です。いまの借入の残り(遅延損害金を含みます)家が実際に売れそうな価格売るときにかかる費用。この3つを並べれば、完済できるかどうかが分かります。

売れそうな価格は、ポータルサイトに並ぶ「売り出し価格」ではなく、近くで実際に売れた価格(成約価格)をもとに見ます。当社はこの見込みをお出しします。完済できない場合は、次の章からの手順に進みます。

返済が遅れている間も、遅延損害金は日々増えます。借入の残りは、いま時点の金額を債権者に確認してください。

02

競売を止められるのは誰か

冒頭で「1」「4」を選んだ方は、まずここをお読みください。

ここが、いちばん誤解されているところです。競売を取り下げられるのは、競売を申し立てた債権者です。所有者ご本人が裁判所に「取り下げてほしい」と申し立てることはできません。したがって、任意売却で競売を終わらせるというのは、債権者が「この価格で売ってよい」と納得して、自ら取下書を裁判所へ出すことを意味します。

いつまで取り下げられるかは、段階によって条件が変わります。

段階取下げの条件
入札が始まる前 債権者の判断だけで取り下げられます。買受けの申出がまだ無いためです
開札が終わった後 取下げに最高価買受申出人(落札した人)などの同意が必要になります(民事執行法76条1項)
買受人が代金を納付した後 取り下げることはできません。代金を納付した時に所有権が買受人へ移ります(同法79条)

裁判所も同じ説明をしています。「開始決定がされた後でも、売却が実施されて売却代金が納付されるまでは、いつでも申立てを取り下げることができます」「申立人の意思のみで取り下げるためには、申立債権者は、開札期日の前日までに執行裁判所に対し取下書を提出する必要があります」「買受人が代金を納付した後は、申立ての取下げはできません」(札幌地方裁判所が申立債権者向けに出している説明。裁判所が運営する不動産競売物件情報サイトにも同じ趣旨の記載があります)。

この「開札期日の前日まで」は、債権者に向けた説明です。前日までであれば債権者の意思だけで取り下げられる、という意味であって、「前日までなら誰でも競売を止められる」という意味ではありません。

そして、その前日までに買主が決まり、売買契約を結び、債権者全員が売却条件に同意し、債権者の内部で決裁が終わっている必要があります。ここから逆算すると、実際に動き出す期限は、開札のかなり前になります。前日まで待ってから動き出しても、間に合いません。

当社は、債権者に取下げをさせる立場にはありません。当社ができるのは、売買の条件(価格・時期・費用の配分)を整えて債権者に示すことまでです。応じるかどうかは債権者の判断です。

03

残り時間は、日数で数えられます

冒頭で「3」を選んだ方は、まずここをお読みください。

入札の手続に入ってからの日数は、民事執行規則で決まっています。お手元の通知に書かれた日付と突き合わせれば、残り時間が分かります。

段階決まっている日数
公告入札期間が始まる日の2週間前まで
入札期間1週間以上1か月以内(東京地裁では通常8日間)
開札入札期間が終わってから1週間以内
売却決定期日開札の日から3週間以内
代金の納付売却許可決定が確定した日から1か月以内

東京地方裁判所の民事第21部(民事執行センター)は、運用として「入札期間は通常8日間」「公告の掲示は入札期間が始まる日の15日前」「代金納付の期限は売却許可決定確定の日から約1か月以内」と案内しています(東京地裁 民事第21部)。

開始決定の通知が届いてから入札が始まるまでの期間は、東京地方裁判所も千葉地方裁判所も公表していません。「開始決定から◯か月で落札される」といった見込みは、このページでは書きません。現況調査と評価が終わるまでの期間は、事件ごとに違います。

04

執行官の現況調査で、何が起きるか

冒頭で「2」を選んだ方は、まずここをお読みください。

競売が始まると、裁判所は執行官に現況調査を命じます。調査の結果は、評価人の評価とあわせて、入札に参加する人が見る資料になります。所有者が知っておくべきことは次のとおりです(民事執行法57条)。

1

執行官は家に立ち入り、質問や書類の提示を求めることができます。賃貸に出している場合は、契約の内容も調べられます。

2

必要があるときは、閉まっている戸を開けるための処分ができます。留守にしていれば調査を避けられる、ということはありません。

3

市区町村に対し、固定資産税に関する図面などの資料の写しを請求できます。電気・ガス・水道の事業者へ照会することもできます。

調査の内容は、物件の資料として裁判所で閲覧できる状態になります。落札を検討する人が室内の写真や占有の状況を見ることになる、という点は、あらかじめ知っておいてください。

いまの段階で売却が間に合うかどうか、日程から逆算してお答えします。

残り時間を確かめる

05

任意売却で売るには、何をどの順に終える必要があるか

債権者が取下書を出せる状態にするまでに、次のことが終わっている必要があります。競売の日程から逆算して、間に合うかどうかを判断します。

1

売却の条件をまとめて、債権者に示す。価格、引渡しの時期、売却代金から何を支払うか(仲介手数料・抵当権抹消の登記費用など)の配分案です。

2

買主を見つけて、売買契約を結ぶ。競売の日程がある以上、買主の資金の段取りも含めて、いつ決済できるかがはっきりしている必要があります。

3

抵当権者と、そのほかの差押えをしている人の全員から同意を得る。後順位の抵当権者や、税金の差押えがある場合は、その解除も必要です。債権者は1人とは限りません。とくに税金の差押えがある場合や、複数の金融機関から借入がある場合は、全員の同意が必要になるため、任意売却が難しくなることもあります。

4

債権者の内部で決裁を受ける。担当者が納得しても、組織としての承認に時間がかかります。ここを見落とすと日程が崩れます。

5

決済(代金の受け渡しと抵当権の抹消)を行い、債権者が取下書を裁判所へ提出する。

債権者によって、必要な手順と期間は違います。たとえば住宅金融支援機構は、任意売却について「競売より高値が期待できる」などの理由から任意売却を勧めていると公表する一方で、抵当権を抹消してよいかの通知までに2週間程度、決済日の2週間前までに報告書の提出、といった手順を定めています。初回の媒介契約から6か月を経過しても購入希望者が現れない場合などには、任意売却を断念して競売に進むこともあると明記されています(住宅金融支援機構)。

「いつまでに相談すれば間に合うか」に、一律の答えはありません。買主が決まるまでの期間は物件によって違い、債権者の数と種類によっても変わります。お手元の通知に書かれた日付をお知らせいただければ、逆算して、間に合う見込みがあるかをお伝えします。

書面の日付から逆算して、売却が間に合うかをお答えします。

日程を見てもらう

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売っても返しきれないとき、残りはどうなるか

任意売却をしても、債務そのものが減るわけではありません。売却代金を充当した後に残った債務は、原則としてそのまま残ります。その返済方法(分割にできるか、月々いくらか)については、売却後に債権者と協議することになります。住宅金融支援機構も「任意売却による返済金が債権額に満たない場合、破産免責となっている方を除き、残債務の返済義務は残ります」と公表しています。

連帯保証人の義務も、債務が残る限り続きます。ご家族が連帯保証人になっている場合は、売却の前に状況を伝えておく必要があります。

返済方法が変わることと、債務の金額が減ることとは別の話です。任意売却をしても、債務そのものが減額されるわけではありません。「任意売却をすれば残りが軽くなる」という説明を見かけることがありますが、当社はその言い方をしません。

返しきれない見込みが大きい場合、法的な手続き(債務整理)を併せて検討することになります。これは弁護士などの専門家の領域です。当社では、任意売却と自己破産のどちらを先にすべきか家を持ったまま自己破産すると管財事件になるのかで、不動産の側から見た考え方を説明しています。

自己破産を検討している場合は、売却の前に弁護士にご相談ください。破産の申立ての前に行った売却は、価格や代金の使い道によっては、後から破産管財人に否認される(効力を取り消される)ことがあります(破産法161条等)。当社は、弁護士の方針に沿って売却の実務を担います。

07

「競売になっても6か月は住める」は、所有者の話ではありません

冒頭で「5」を選んだ方は、まずここをお読みください。

インターネット上には「競売になっても6か月は住める」という説明が流れています。これは所有者ご本人の話ではありません。2つの「6か月」が混同されています。

どの6か月か誰についての期間か
民法395条の6か月 賃借人(借りて住んでいる人)が、買受人に引き渡さなくてよい期間です。所有者ご本人は対象外です
民事執行法83条2項の6か月 買受人が、引渡命令を裁判所に申し立てられる期間です(代金を納付した日から。賃借人が住んでいた建物は9か月)。住み続けられる期間ではありません

差押えの登記がされても、通常の使い方をしている限り、住み続けること自体は妨げられません(民事執行法46条2項)。しかし買受人が代金を納付した時点で所有権は移り(同法79条)、その後は引渡命令から明渡しの手続へ進みます。引越しの時期を自分で決められるのは、売却が競売以外の形で終わった場合です。

代金が納付された後は、買受人と話し合って引渡しの時期を決めるのが実際の流れです。話し合いがつかない場合、買受人は引渡命令を申し立て、その後は執行官による明渡しの手続に進みます(民事執行法83条・168条)。いつ出ることになるかは、買受人の意向と手続の進み方によって変わります。当社がお手伝いできるのは、この段階に入る前に、売却で決着させることです。

08

当社ができること、できないこと

当社ができること

  • 近くの成約事例をもとに、家が売れそうな価格をお出しすること
  • お手元の通知の日付から逆算して、売却が間に合う見込みがあるかをお伝えすること
  • 買主を探して売却すること(仲介)
  • 売却の価格や時期などの売買条件を、抵当権者・差押えをしている人と調整すること
  • 買い手が見つからない場合に、当社が直接買い取ることの検討
  • 日程や条件から見て売却が間に合わないと考えられる場合に、その理由をお伝えすること

当社ができないこと

  • 競売を止めること(取り下げるかどうかは債権者の判断です)
  • 残った債務の返済方法そのものを、債権者と代わりに交渉すること
  • 執行官の調査を断ること
  • 法律上の判断(弁護士等の専門家へ)
  • 税金の個別の判断(税務署・税理士へ)

売り方は2つあります。仲介は一般の買主に売る方法で、価格は相場に近くなりやすく、当社が買主を探してお売りする場合は宅地建物取引業法の上限の範囲で仲介手数料を申し受けます(売買代金が400万円を超える場合、代金の3%+6万円+消費税が上限)。買取は当社が直接買う方法で、媒介ではないため仲介手数料は発生しませんが、当社が直接買い取る価格は、時間をかけて一般の買主を探す場合より低くなるのが通常です。競売の日程が迫っている場合は、期間の見通しが立てやすい買取が向くこともあります。両方の見込みをお出しします。

当社は東京都墨田区(JR錦糸町駅)に事務所があり、東京23区と、船橋・千葉などの近隣地域を中心に、直接伺える範囲でご対応しています。それ以外の地域のご相談もお受けします。物件の場所によって管轄の裁判所が変わるため、お問い合わせの際に所在地をお知らせください。

09

よくあるご質問

競売を取り下げてもらうには、何を用意すればよいですか
債権者が判断できる材料が要ります。売却の価格、引渡しの時期、売却代金から何をいくら支払うかの配分案、そして買主と結んだ売買契約です。これらを整えて債権者に示すところまでが、当社の仕事です。応じるかどうかは債権者の判断です。
競売にかかった費用は、誰が払うのですか
申立ての費用は、まず競売を申し立てた債権者が裁判所に予納します。そのうえで、執行にかかった費用のうち必要なものは債務者の負担とされています(民事執行法42条1項)。金額は裁判所や請求債権額によって違います。任意売却で決着する場合、費用をどう扱うかは債権者との協議の中で決まります。
引越し費用を出してもらえると聞きました
売却代金の中から引越しの費用が認められることはありますが、債権者の判断であり、認められないこともあります。当社は「出ます」とお約束することはできません。ご相談の中で、認められる可能性と、認められなかった場合の段取りの両方をお話しします。
執行官の調査を断ることはできますか
できません。執行官は立ち入って調査することができ、必要があるときは閉まっている戸を開けるための処分もできます(民事執行法57条)。日程の相談はできますので、連絡が来たら応じてください。
近所に知られてしまいますか
競売になった物件の情報は、裁判所の物件情報として公開されます。任意売却で売る場合は、通常の売却と同じ形で買主を探すため、公開の範囲は一般の売却と変わりません。当社からご近所に事情をお話しすることはありません。
もう開札が終わってしまいました。まだ何かできますか
段階によります。代金が納付される前であれば、取下げには落札した人などの同意が必要になりますが、手続き上の余地は残っています。代金が納付された後は所有権が移っているため、売却の話はできません。この場合は、明渡しの時期の相談が中心になります。お手元の書面の日付をお知らせください。

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次に取る行動は、3つです

1

裁判所から届いた書面を手元にそろえる。書面の名前と日付が、そのまま残り時間になります。

2

いまの借入の残りを、債権者に確認する。遅延損害金を含めた金額です。

3

家が売れそうな価格を出し、1・2と並べる。完済できるのか、足りないのかが分かります。当社にご相談いただければ、この見込みと、日程から見た間に合う可能性をお出しします。

ご家族や同居されている方がいる場合は、売却の方向性が見えた段階で、状況を共有しておくことをお勧めします。明渡しの時期は、生活の段取りに直結します。

このページに書いた日数は、法律と裁判所の手続の上での期限です。実際には、買主を探し、債権者全員の同意と決裁を得るまでに時間がかかります。書面の日付ぎりぎりまで待つと間に合いません。お問い合わせの際に、物件の所在地と、届いている書面の名前・日付をお知らせいただけると、確認がはやく進みます。分からない項目があっても構いません。

ご相談をお受けする会社について

商号

株式会社サブミット

宅建業免許

東京都知事(1)第114346号

代表者資格

宅地建物取引士 / 競売不動産取扱主任者試験合格

対応領域

弁護士から選任された相続財産清算人・破産管財人の案件における、不動産の調査・売却に対応しています。代表は前職から現在にかけて、この分野の実務を担当しています

まずは、状況をお聞かせください。

しつこい営業は行いません。秘密厳守でお伺いします。

お電話でのご相談03-6822-4556

お伺いするのは、お名前・ご連絡先・物件の所在地・いま届いている通知の種類などです。売却を前提としたご相談でなくて構いません。売らないほうがよい場合も含めてお話しします。
しつこい営業は行いません。ご相談内容は秘密厳守でお預かりします。